

INTRODUCTION
「ことばを超えた映像体験」
青春の痛みと再生を描いた、心を揺さぶる傑作が誕生。
軍隊のような規律、怒号が飛び交うグラウンド、声が枯れるまで叫び続ける日々──。
地方の野球名門校に進学した高校球児・岳(がく)は、初めて社会の理不尽さと向き合い、理不尽な仕打ちや感情の暴発に苦しみながら、自らの弱さと対峙する。
だが、担任の霧島先生の言葉や、幼なじみ・隆との再会をきっかけに、かつて大自然の中で無邪気に遊んだ日々の記憶が彼を救い始める。
四季の移ろいと共に、岳の心も少しずつ変化し、癒やされていく。
本作のメガホンを取るのは、北京電影学院監督学科を歴代日本人初の卒業生として修了した新鋭・伊地知拓郎。
精神的幸福の探求をテーマに掲げる彼の視点が、登場人物の内面を静かに、そして鋭く描き出す。
プロデューサーは、女優としても活躍する小川夏果。伊地知とタッグを組み、機材メーカーARRIとのアジア唯一のスポンサーシップを実現。全編にわたり、圧倒的な映像美を実現している。
キャストには、全員が野球経験者という本物志向の俳優陣が集結。
主演には初映画出演となる淵上岳を抜擢。
ナレーションには「マスカレード・ホテル」など数々の話題作に出演する泉澤祐希。
さらに、鹿児島実業野球部出身で演歌歌手としても活躍する松元裕樹が野球部監督役を熱演。
その他にも、古矢航之介、阿部隼也、千歳ふみ、小川夏果など、
多彩な俳優たちがそれぞれの役を通して、青春の痛みと希望を鮮やかに描く。
上海国際映画祭をはじめ、国内外の映画祭で高い評価を受けた本作は、
文部科学省選定映画にも認定され、教育現場でも上映が続いている。
超一流の映像表現と実体験に裏打ちされたリアリティ。
観る者の心を揺さぶり、青春の意味を問い直す──。
今こそ観るべき、魂に残る映画体験を――。

STAFF

鹿児島県出身。幼少期より世界中の映画と音楽に親しみ、音楽制作に打ち込む日々を送る。高校卒業後、単身で中国へ渡り、北京電影学院 監督学科に入学。2022年に卒業。在学中に監督した短編『WHATEVER YOU WANT TO BE』(2019)、『星の音』(2020)は、いずれも国際映画祭で高い評価を受け、学生部門優勝や各種ノミネートを果たす。
初の長編監督作品となる『郷』では、上海国際映画祭アジア新人部門 監督賞・作品賞のWノミネート、重慶35mm批評家週間にて最優秀賞を受賞。さらにドイツ・フランクフルトのニッポン・コネクションにもノミネートされ、国内外で圧倒的な評価を獲得。“黒澤明の再来”と評されるなど、早くも世界が注目する才能として映画界に旋風を巻き起こした。
『郷』では監督・脚本・編集のみならず、音楽・音響・一部撮影までを自ら手がけ、作品の世界観をトータルに構築。現在、次回作の準備に入っており、今後の動向に注目が集まる気鋭の若手監督である。

熊本県出身。現在は鹿児島県姶良市に拠点を構え、地方から世界を見据えた映画制作に取り組む。同志社香里高校を経て同志社大学法学部を卒業後、三井住友銀行法人営業部に就職。その後、俳優業に転身し、TVドラマ・映画『信長協奏曲』『刑事7人』、CM『伊藤園 お〜いお茶』など、幅広い作品に出演。
2019年には北京電影学院に留学し、本格的に映画制作の道へ。伊地知監督との出会いをきっかけに、本作『郷』でプロデューサーとして長編映画の制作に初挑戦。2021年には世界的機材メーカーARRIの企画プロジェクトでアジア唯一のスポンサーシップを勝ち取り、製作費約3000万円相当の機材無償提供を受けて本作を完成させた。
表現者として、そしてプロデューサーとしても新たなステージに挑み続ける、小川夏果の今後の活動に期待が高まる。